社会

[第9回]幻声人語 – 戦術の近代化について –

最近、アマゾネスの生活保護受給者が増えているという報道があった。何でも理由は、騎士団などで用いられる戦闘技術の近代化についていけないからだそうだ。

では、近代化とは何をさすのだろうか。調べて驚いた。特殊な加工が施された高価格な防具を装備し、高性能な魔法杖用いて簡単に行使できる魔法を近接戦闘に組み込みこむことを言うようだ。そしてこれに適応できないものは団を解雇される。

なんと愚かな行為なのだろうか。

確かにアマゾネスは種族として、魔法に対する素養が低い。戦闘中に魔力を練ることは苦手だ。でもそれ以上に、彼女達は人間以上の身体能力を備え、毒などに強い耐性のある強靭な身体を持っている。装備品によるゲタを履いた強さじゃない、素の強さだ。

もし、防具がない状態で敵に襲われたらどうする。もし、戦闘中に魔法杖が壊れたらどうする。彼女達には全く関係のないことだ。

魔王軍との戦争が激化する中、素の強さを評価しない風潮に、本当に近代化しなければならないのは誰だろうかと私は少し思うのだ。