召喚師と言えば、他種族との交渉事が多いため魔力以上に営業力が求められる、魔法職の中でもガテン系の国家資格と言われています。中でも、神獣や女神と契約を結んでいる一級召喚師は、服装から身のこなしまで一流の作法を身につけた者が多く、業界内では一目置かれる存在です。
そこで今回は一級召喚師に聞いた、神獣や女神達との契約交渉時に気をつけていることをまとめました。今回は第2回です。
2. 支払う対価で絶対に無理をしない。
召喚契約と一言で言っても、その契約内容は千差万別。中でも、召喚に応じて支払うべき対価の形態は驚くほど異なっています。
例えば、供給された魔力量に応じて一回だけ魔法を行使する、魔法行使型召喚契約が多い精霊達は、基本的に月額プラン制度をとっています。月に10回までの召喚で月額いくらというような形です。
それとは別に、召喚後にその地点に留まり戦闘の補助もしくは戦闘の代行を行う、滞在型召喚契約を結ぶ龍や聖獣達は主に時給制を取っています。その地点に滞在した時間の分だけ召喚師は対価を支払います。
そこで、問題になってくるのが神々との契約です。神は人間の価値観など全く気にしないので、契約時に面白半分で無茶苦茶な対価を言ってくるようです。中には、神の無茶苦茶な条件をそのまま承諾し、破産してしまう召喚師もいるとか。
「いやー、業界的には神との契約はリスキーですよ。あいつら無茶苦茶ですから。嫉妬の女神と契約した召喚師は、女神の前で婚約者と別れることが条件だったとか。後はそうですね~、破壊と創造の神は毎月世界を破壊してこいって言われるらしいですね。刀の神は、刀の切れ味を人で試せ。とか。」
相手が神といえど、無理なものは無理とはっきり言った方が良いようです。
(次回へつづく)