[第4回]幻声人語 - 死に慣れるということ -

カルチャー A.C.0124年 05月02日12時25分

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人がたくさん死んでいる。とりわけ今年になって、連日連夜、どこもかしこも戦死者のニュースばかりだ。戦争になるかもしれない。友達や親が死ぬかもしれない。恐怖や不安が国を覆っている。

先日、街を歩いていると老夫婦のこんな会話を耳にした。「いやねぇ、昨日も20人くらい死んじゃったんですって。」「でも20人で済んで良かったんじゃないか。この間なんか数百人は死んでいたんだから。」

どこか気持ちの悪さのようなものを感じて、理由を考えていると、今度は花屋がユリの花のバーゲンセールを行っていた。店主に話を聞くと、戦争が始まった初期は戦死者を悼むためユリの花が売れたが、今では戦争が起こってもあまり売れない状態が続いていると言う。

ふと気づいた。私達は今、人が死ぬという状況に慣れてしまっているのではないか。死を悼むという行為が寝起きの歯磨きのように、日常の中に取り込まれてしまっているのではないか。

1年後、魔王軍に侵略されていることに慣れてしまわぬことを祈るばかりだ。

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