一昨日から3日間にかけて行われた、国立魔法学院中等部「春の体育祭」が先ほど閉会式をもって終了した。
今年の体育祭は例年以上に学生達の負傷者数が増え、歓声よりも保護者の悲痛な叫び声がこだまする混沌とした体育祭となった。
中でも体育祭の最後を飾る組体操では、「分身魔法による一人10段ピラミッド」「空中回転扇」「ロケットサボテン」など開催前から危ないのではと指摘されていた技を連続して披露し、学生達は血みどろになっていった。最後を飾る大技「天空(120段)ピラミッド-バベル-」は、120段目の人間が頂に立った直後、空中にいたハーピーに攻撃され見るも無残に崩落し18名が重傷を負い39名が軽傷を負うこととなった。
学院長であるガッテン氏(62)は閉会式の場で「今年も死者を出すことなく、体育祭を終了できたことを大変誇らしく思う。最近は軟弱な若者が増えているが、我が校の生徒に限ってそれはないことを魔王軍にもみせつけることができた。」と生徒達に言葉を送った。
ガッテン氏は、五年前に騎士学校の体育祭で学生をテュポーンと戦わせ、教師生徒含め死傷者380名を出した血の体育祭事件の関係者で当時は副校長だった。