昨夜未明、入国審査局がグランドール王国へ入国しようとした錬金術師ケビン=イソベ容疑者を密輸罪で逮捕した。
ケビン容疑者は、輸入が禁止されている凶悪な怪物「ベヒーモス」を自身の調合した秘薬で猫の姿に変化させ、カンザ都市同盟からグランドール王国に運びこもうとしていた。
秘薬の出来は素晴らしいもので、一見するとただのスコティッシュ・フォールドにしか見えなかった。猫好きの入国審査官が頭を撫でようと手をかざした所、ケビン容疑者が突然「触るな!死ぬぞ!」と声を荒げた。
不審に思った審査官が、「検閲させてもらいます。」と解呪の薬を使うと、猫の姿が煙に包まれ四足歩行の獰猛な怪物「バハムート」が現れた。
周囲は騒然となったが、バハムートはその場から一歩も動かず吐血して、すぐに絶命した。
ケビン容疑者は「しまった、解呪のことを考えていなかった。内臓が急激な伸縮に絶えられず、破裂してしまったのか。」と納得し、逮捕された。