本日の13時に決行される、廃墟サンカノを根城にする魔王軍との戦いを前に、「ロック★吟遊詩人」のサラバ=オイニールさん(21)が「俺の歌を聞けば、戦いなんかすぐに終わっちまうぜ。」と帝国軍の兵士達の前でライブを行った。
披露した曲は、サラバ氏のオリジナルソングで「ロード〜第七章 届かない魔法」から「ロード〜第十一章 約束の世界樹」までの五曲。
ライブ開始数分は、兵士達から「なんで七章からなんだよ。」「なんでもないような歌やねぇ」「今はなんでもあるぞー!」など、無数の野次が飛び交った。
歌詞の内容が、戦争で愛する人を失った騎士の話であることが分かると、次第に「何がロック★だよ。」「めっちゃバラードやんか。」と言いながらもサラバ氏の歌に惹き込まれていった。
「ロード〜第十一章 約束の世界樹」を歌い終わる頃には、涙を流す者もいた。しかしサラバ氏が、第十一章で今日のライブを終える旨を伝えると兵士達からブーイングが起きた。
「は?、騎士が死地に赴いて終わったんですけど!」「おい!騎士は生きたの?死んだの?」「この曲を、戦争前の俺らに聞かすとかマジ鬼畜だろ。」
聴衆である兵士達を見回し、満足げな表情を浮かべたサラバ氏は、「続きはMtunesでダウンロードよろしく★」と良い声で伝えた。
サラバ氏は兵士達にボコられた。