カルチャー

[廃墟サンカノでの戦い⑧]便意を伴った戦い。腸が痛いと轟き叫ぶ。

魔王軍数百体を相手取って単騎で無双する男、トラヴィス=クロフォード。帝国軍からは畏怖され、羨望を受ける。十分な間合いをとり、深追いはしない冷静沈着な戦闘スタイルは圧倒的な戦闘力を誇る王者の余裕にさえ感じられる。だが、実際は違っていた。

「うんこがもれそうで、激しく動けないから追撃できん!」
「くそっ、常に尻に力を入れているから、魔力の制御も狂う!」

トラヴィスは焦っていた。自分一人ならなんとかなるが、うんこを我慢しながら、背後にいる帝国軍を守り切ることは不可能に近い。

普段なら避けるはずのゴーレムの右ストレートを、魔法で障壁を作り受け止める。
「二択・・・今、俺は神に選択を迫られている。」

「うんこを我慢し、帝国軍を見捨てるか」

「便意を開放し、もらしながら人を救うかっ!!」

(次回へ続く・・)