カルチャー

[第7回]幻声人語 – 堕落した人々 –

携帯型魔法端末(以下、スマホ)の普及と発展により、いつでもどこでも人と連絡がとれるようになった。望みさえすれば、赤の他人に自分の情報を伝えることもできる。

ツエッターというサービスがある。ツエッターではつぶやきと称される短文の投稿を共有する。特定の人に向けて、あるいは不特定多数に向けて短い言葉をつぶやく。最近では、短い間隔で自分の状況をつぶやく人もいる。

中毒者だ。常に更新される鮮度だけが取り得の有象無象の情報に人々は虜にされているのだ。先日、勇者候補生のミーファさんが敵地からツエッターを更新した。人々は、賞賛した。すごい。さすが。なんてタフな女性なのだ。

でも、本当にそれは良いことなのだろうか。戦いに集中しなければならない時、それは生死がかかっている。もし注意が散漫になっているとするならば、それは戦闘における「死」というリアリティが欠如しているのではないだろうか。