「あら、誰もいないみたいね☆」
勇者候補生のミーファさんとラムリさん。そして総司令官シレン氏の三人は、静まり返ったブリッジの中で佇んでいた。防音設備が整っていると見え、外界の音は全く聞こえない。
「わ、私、運転してみたい。」
ミーファさんが直感で操作できそうな機械の前に立つ。瞬間、背後の空間が揺れた。鋼と鋼が交わる音。
「ミーファ君、おじさんの肝を冷やさないでくれよ。」
シレン氏がミーファさんを狙った何者かの攻撃を剣で弾いた。
「さすがは二代目勇者ね。まだまだ勘が衰えてないって所カシラァ?」
「うーん、透明になっているのかな。声の感じからすると女性で40代前半。僕よりも年上、かな?」
ミーファさんが一言つぶやいた。
「透明おばさん・・??」
何もないはずの空間に怒気が振りまかれた。
(次回へ続く・・)