時はもうすぐ日を跨ぐ頃合、辺り一面が黒一色に染まる中、聖騎士エレンは周囲を注意深く観察する。緊張からか額に汗が滴る。
「柄にもなく緊張しているのか。いや、外気の温度が上がっている・・のか?」
瞬間、気づく。中央広場に入ってから、風の流れがなく、辺りの気温が上がっていることに。もしかして
「気をつけろ敵に囲まれているかもしれん!」
突如、ヴァリナス帝国軍の周囲に魔物の群れが出現した。弛緩した空気が兵士達の心を鈍らせる。
「完全に虚をつかれた!」
指揮官のイスカさんが慌てて指示をだす。
部隊のあちこちで、叫喚が溢れ始めていた。
(次回へ続く・・)