社会

[大聖堂跡地での戦い⑩] 初めてのチームプレイ

「くそっ!やべぇ」

勇者候補生のハサン氏に憑依した魔王軍四天王の1人「ダレルシャン」の神剣攻撃によりトラヴィス=クロフォードさんの刀が折れた。

すぐさま半端な刀を捨て、防御に徹することで、四天王の怒涛の攻めになんとか耐えるトラヴィスさん。

「ほう、しぶとい。人間にお前のような化物がいるとはな・・」

剣道三倍段。徒手空拳で四天王とやりあうのは、ノーヘルでF1のレースに出るようなもの。
一手間違えれば死に直結する。トラヴィスさんは、極限の状態の中で細かいフェイントを重ね、冷静に敵の攻撃を誘導、回避。じわじわと間合いを詰める。

「いくら近寄ったところで素手では我を倒すこてはできぬ。」

「だろうな。だからこっちも奥の手を使うことにするよ。」

隙を付き、ハサン氏の肉体に掌底を放つ。

「ぐっ!だがこんな攻撃箸休めにもならっ・・・!」

トラヴィスさんの背後に見える真紅のバンダナ。登場すると視聴率が下がる男。通称・サゲバンクソ野郎ことグレン=マッケンが魔眼を開放し「ダレルシャン」を睨みつけた。

「死ぬ前に俺を化物認定するのを忘れんなよ。」

(次回へ続く・・)