先ほど、グランドール王城で会食を終えた独裁国家アギレムの国防大臣チャランポン氏が、いきなりリオーネ姫にプロポーズをして関係者が騒然となった。
チャランポン氏は自分のために催された会食に対して礼を述べた後、姫を呼び止め「リオーネ姫よ。そなたの気持ち、しかと受け止めた。余の妻となり、子を設けるのじゃ。」
「ほっほっほっ。緊張するでない。国同士の関係もある故、正式に婚約するのは先のことになるかもしれぬ。されど今この瞬間から我らは夫婦じゃ。今宵も共に語り明かそうぞ。」
と言い放った。グランドール王国の役人とアギレムの近衛兵達は皆騒然とし、時が凍りついたような空気がその場に流れた。
リオーネ姫は笑顔でチャランポン氏に歩み寄り、鳩尾(みぞおち)に膝蹴りをかました。